本日14時から新宿区情報公開・個人情報保護審議会が開催され、委員として出席しました。
新宿区議会に入った6年前から出席し続け、自治体における個人情報保護について勉強させていただきましたが、25日からの都議選のため、今回が最後の出席となりました。
今日の案件は2件と通常よりも少ないものでしたが、その前に、前回の審議会で指摘した事項について追加での確認報告を受けました。
・新型コロナウイルスワクチン接種事業に係る集団接種会場の運営等業務の委託に関する追加確認事項について
前回の審議会において、集団接種会場で個々人のワクチン接種結果を国の「ワクチン接種記録システム(VRS)」に登録する方法に関し、国が配布したタブレット以外でのVRSへのアクセスが可能であるのか否かを尋ねたところ、分からないとのことでした。
このため、一般に入手可能なタブレットやPCでもアクセス可能であれば区民の個人情報が流出するリスクがあるので、まずはこの点を確認すべきであり、仮に「アクセス可能」である場合には、国に対して仕様の変更を求めるべきと指摘しました。
今回の報告では、国は当初、各自治体で独自に準備するタブレット等に専用アプリをインストールすればVRSにアクセス可能な仕様を想定していたが、セキュリティの観点から、国が配布するタブレット以外でのアクセスはできないよう変更した、とのことでした。
そのことは良かったのですが、国における仕様変更は4月になされており、前回の審議会(5月19日)の時点では各自治体に知らされていたにもかかわらず、担当課において把握していなかった点に若干の不安を覚えました。
・地域商業活性化推進事業(プレミアム付商品券事業)に係る業務の委託について
「中小企業支援・地域経済活性化」という話しになると何故か現れる「プレミアム付商品券」ですが、今年度のコロナ対策でも実施されます。
この種の事業は、実際に区民や区内事業者に回るお金と比較して、商品券事業の委託を受けた事業者に支払われる金額が相対的に大きいため、以前から施策の効率性に疑問を持っています。
ただ、個人情報保護審議会で議論されるのは施策の効率性ではなく、区民や区内事業者の個人情報保護であり、今回の仕組みでは特に課題は見当たりませんでした。
但し、同時に実施されるQRコード決済によるポイント還元事業については、区の施策に応じて新たにQRコード決済を導入する事業者の個人情報保護に関し、新宿区の個人情報保護条例の観点からチェックを加えるべきであることから、その点を指摘しました。
これに対し、区の側では、次回の審議会でQRコード決済について整理して報告するとの回答がなされました。
次回の審議会は出席できませんが、区の施策を通じて外部事業者のサービスの活用を促す場合の個人情報保護の在り方について、しっかりと議論していただければと思います。
・新宿区夏目漱石コンクールの運営に係る業務の委託について
区では、平成26年から夏目漱石に関わる読書感想文や絵画のコンクールを実施していますが、年々応募作品数が増えてきたことから、応募者の個人情報を取り扱う業務も含め、コンクール運営全般を中日新聞社東京本社に委託するというものです。
私自身は、特に個人情報保護に関する問題があるとは思っていませんでしたが、他の委員から、審査会に作品を提示する際に、応募者の所属学校名を添付する必要はないのではないかとの指摘がなされました。
区としては、どの地域の子どもからの作品であるかを含めて審査していただきたいと考えていたようですが、議論の結果、所属学校名も付さず、作品のみを審査に供することになりました。
以上で、本日の委員会の審査は終了しました。
終了後、会長や何人かの委員の方々にお別れのご挨拶をしました。
新宿区議会議員になって良かったと思うことの一つが、この審議会の委員になれたことでしたので、審議会を去るにあたっては大変寂しい思いがあります。
今後は、個人情報保護法の改正によって自治体の個人情報保護体制も大きく様変わりします。
そうした中でも、新宿区が平成2年の個人情報保護条例制定から積み重ねてきた成果を踏まえ、区民の個人情報をしっかりと守っていただきたいと思います。
posted by 三雲たかまさ at 17:29|
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