2020年12月03日

【2020年11月30日 本会議代表質問報告】

11月30日開催の新宿区議会第4回定例会本会議において、会派を代表して質問を行いました。

質問のタイトルは、以下の通りです。

・ポストコロナ時代における新宿区の持続的な発展について【区長】
・地方と連携し共に発展するための施策について【区長】
・中長期的施策について【区長】【教育委員会】
・不登校児童生徒の学習支援や居場所の確保について【教育委員会】

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〇このうち、「ポストコロナ時代における新宿区の持続的な発展について」においては、新宿区(都市部)の「強み」であるとされてきた人や企業、生活基盤施設の「集積」が、満員電車や人の集まるオフィス、客が集中する商業施設や飲食店といった「3密」と表裏一体の関係にあり、「集積」のメリットを享受しつつ「3密」回避や感染予防を行うことは困難ではないかと指摘をさせていただきました。

これに対し、区からは、感染予防と拡大防止策を定着させた上で、店舗の感染予防等の支援や区内産業の魅力発信などを通じ、「集積」による感染リスクを抑え、感染予防と社会経済活動の両立を図りたい、という当然と言えば当然の答弁がありました。

しかし、グローバライゼーションと人口集中を背景として「ウイルスの世紀」とも表現される現代においては、今回のコロナ禍を教訓として、都市の在り方について見直しが必要になるだろうと考えます。

今回の質問ではそこまで踏み込みませんでしたが、例えば建築物を嵩増ししてさらに高度な「集積」を目指したり、より多くの人を都心部に集める方向での都市計画は、都心部に住む人の立場から見て必ずしも適当とは思われず、また日本全体のバランスの取れた発展を考えても歪なもののように思われます。
既に、今回のコロナ禍を「東京一極集中是正の機会である」と捉える論調も出てきており、都市部の自治体として、目先の感染予防に取り組みつつも、長期的視野に立った都市政策を議論すべき時期が来ていると考えます。

私自身も現時点で明確な答えを持ち合わせていませんが、今後も上記の視点を持って、「東京都」や「新宿区」の発展について考え続けたいと思います。

〇次の「地方と連携し共に発展するための施策について」では、今次の「新宿区総合戦略素案」において、「地方と連携し共に発展する」との目標を掲げていることから、これまでも行ってきた伊那市との連携を題材に質問を行いました。

従前の伊那市との連携事業は、各種イベントでの交流や物産展、カーボン・オフセット事業、「新宿の森・伊那」での環境学習体験、新生児に伊那産の木材で作ったおもちゃを贈る「ウッド・スタート事業」、災害協定の締結や人事交流など多岐にわたります。

しかし、区民の間でこれらの事業の認知度は10%程度であり、そもそも新宿区が伊那市と友好都市関係にあること自体、区民の22%程度しか知らない状況です(伊那市でも新宿区との友好都市関係についての認知度は低いようです。)。

また、これらの事業が新宿区や伊那市の発展を促しているかは、良く分からないと言わざるを得ません。
ある研究論文によれば、伊那市の地場産業を支援するものとして高く評価される「ウッド・スタート事業」によって伊那市の職人さんにもたらされる経済効果は、年間1100万円弱と見積もられています。
単体の事業としては意義があると思いますが、街全体の「発展」を考えると、さらなる連携事業が求められるところです。

他方で、この間の「税源偏在是正措置」によって23区の法人住民税の一部が国によって召し上げられ、地方に分配される状況が続く中、個々の基礎自治体が「地方との連携」のために使うことができる財源が限られてしまっている側面もあります。

今後は、それぞれの自治体でさらなる連携事業を検討することが重要であり、同時に、その旗振り役である国や東京都において、連携事業の財源を確保する施策を講じることが必要だと考えます。

〇3番目の「中長期的施策について」は、久保議員と共同で作成した質問です。
ここでは、区有施設の在り方、本庁舎の建替え方針や公民連携の推進方針などの行政管理関係のテーマのほか、コロナ禍における学校行事の在り方やICT教育の推進といった今日いう関係のテーマについて質問を行いました。

このうちICT教育については、国のGIGAスクール構想に従って来年度から小中学校の全ての児童生徒に対してタブレット端末(Surface Go)を貸与して教材の提供や協働学習を行う予定ですが、それに要する毎年度約11億円の経費の多くが現時点で手当てされていない状況です。

新宿区では、毎年度約100億円の教育費を計上していますが、そこに11億円を上乗せしたり、11億円を捻出するために他の教育事業費を削減することは困難です。
多くの自治体が同様の課題に直面していると思われます。

質問では、国や都に対して財源の担保を求めるべきではないかと尋ね、区も特別区長会や全国市長会を通じて要望しており、今後も機会を捉えて強く要望するとの答弁がなされました。

〇最後の「不登校児童生徒の学習支援や居場所の確保について」は、小野議員から質問の提供を受けました。
不登校児童生徒の支援は以前からの課題であり、昨年の小野さんの代表質問で取り上げたのですが、コロナ禍の影響で不登校児童生徒が増加しているため、改めて質問をすることとしました。

新宿区では既に小学校5、6年生と中学校3年生にはタブレット端末が貸与され、オンライン学習環境の整備が進められており、さらに来年度からはGIGAスクール構想により全ての児童生徒にタブレット端末が貸与される予定です。
こうしたオンライン学習環境を活用した不登校児童生徒の学習支援を進めるため、機器使用の習熟度による教育格差が生じないよう配慮を求めました。

また、学校に行くことが困難な児童生徒についてはフリースクール等への登校により教育の機会を確保することが必要ですが、現在は教育委員会とフリースクール等との連携が十分とはいいがたい状況です。
このため、フリースクール等との連携を求めるとともに、コロナ禍の影響で資金面で苦境にあるフリースクール等への支援を求めました。

区においては、フリースクール等が閉校して児童生徒が居場所を失ったとの報告は受けていないとのことですが、今後、教育委員会とフリースクール等との意見交換の場を設けることで連携を図っていくとの答弁が得られました。
posted by 三雲たかまさ at 14:21| Comment(0) | 議会活動
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