1月21日、今年初めての個人情報保護審議会が開催され、出席しました。
年初ということもあってか、審議案件数は比較的少ない5件でした。
このうち、「区職員に対する新型コロナウイルス感染症のスクリーニング検査(唾液PCR検査)業務の委託について」では、新型コロナウイルス感染症のまん延防止のため、感染者が確認された区役所の職場(学校、保育所を含む)を対象に、感染者及び濃厚接触者以外の無症状者に対し、唾液採取キットによるスクリーニング検査を行うことが報告されました。
スクリーニング検査で陽性の疑いが判明した方については、病院への診察の指示がなされ、そこでPCR検査を行って陽性が判明すれば、感染者として隔離や入院といった措置がとられることになります。。
年末以降、ほぼ連日のように区職員の感染確認が報告される中、濃厚接触者に限定した行政検査では感染者を的確に把握できず、職場内での感染拡大を防止できないのではないかとの不安があったため、こうした検査が行われることは大変重要だと考えます。
ただ、業務の流れを見ると、区から業者に対して唾液採取キットの申込みを行ってからキットが届くまでに最大3日、さらに採取した検体を業者に送付してから結果報告まで最大2日ほどかかるとのことですので、迅速な対応という訳にはいかないようです。
また、「債権(奨学資金貸付金)回収に係る督促等業務の委託について」では、奨学資金貸付金の返還を滞納している方(約50人)のうち、転居等により区が追跡できない方(3、4人を想定)について、弁護士に債権回収を依頼するというものです。
奨学金として貸し付けた金銭を「債権」として回収業務を行うことが適切であるかについては、様々議論があると思います。
他方、返還を受けた金銭を次の奨学生に貸し付けることで、限られた原資を回転させて多くの方に資金提供が可能になっていること、また約束通り返還している方との間の公平性を考えると、債権回収を行わざるを得ないのが現状です。
経済的に困難に直面している若い方に対して返還不要の奨学金制度を設けることが理想ですが、その財源をどうするかなどの議論は国や東京都で解決すべきであり、基礎自治体である新宿区の財政規模で対応するのは難しいように思われます。
このため、質疑では債権回収事業自体の是非ではなく、個人情報の取扱いに絞って質問しました。
まず、区では、受託弁護士との間の情報のやり取りを郵送又はCR-R等の手渡しによることを想定していますが、実際の依頼者と弁護士との連絡は、メールや電話、FAXなどによって行われています。
審議資料では、そこで取り扱われる個人情報の漏洩等をどのように防止するのかが記載されていないため、この点を確認するよう求めました。
また、受託弁護士が滞納者の方と交渉した結果、一定の合意に達した場合には、合意書を作成する必要があります。
区では、この合意書を内容証明郵便を利用して作成することを想定していますが、内容証明郵便で合意書面(契約書)を作成することはできないので、書留郵便でやりとりすることになると思われます。
さらに、受託弁護士に対しては、年度末に取り扱った個人情報の消去を求め、消去証明書を提出させることを想定していますが、弁護士の立場からは、少なくとも3年から5年程度は事件記録を保管しておかなければリスクにさらされると考えられます。
これらの点について、受任する予定の弁護士と協議し、改めて個人情報の取り扱いを整理するよう求めました。