令和3年第1回定例会において、立憲民主党・無所属クラブは、他の4会派とともに「新宿区パートナーシップ及びファミリーシップ届出制度に関する条例」を提案しました。
この議案を審査した新宿区議会・文教子ども家庭委員会では、活発な質疑が行われたものの、反対多数で否決されました。
このため、本日の本会議での採決に当たり、少数意見を本会議に提出しましたので、以下に共有させていただきます。
結果的に条例案は否決されましたが、反対した議員を含め、質疑を行ったすべての議員が制度を必要と認めたことからも、新宿区においてパートナシップ・ファミリーシップ証明制度を導入する機運は十分に高まっていると考えます。
引き続き、新宿区における制度導入と当事者の方々の権利擁護を目指した活動を行ってまいります。
(委員会審査において提出者を代表して議案説明及び質疑対応を担当しました。)
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本議案は、新宿区の最高規範である自治基本条例が、前文において、「互いの人権や個性を尊重し合」うと謳っていることを踏まえ、パートナーシップ届及びファミリーシップ届の取扱いに関して、必要な事項を定めることにより、誰もがお互いの尊厳を尊重し、共に支え合う地域の実現を目指し、もって区民の福祉の増進に寄与することを目的とするものです。
議案審査を行った文教子ども家庭委員会では、活発な質疑及び意見交換がなされましたが、委員側からの発言は、結果的に反対に回った委員のものも含め、いずれも当事者へのアンケート調査等を踏まえ、パートナーシップ制度及びファミリーシップ制度の必要性を認める内容でした。
日常生活において家族としての関係が認められにくい同性パートナーシップ当事者やその子どもたちが苦労されてきた事実は既に公知のことであり、その個人の尊厳を保障する必要性については広く社会的合意が形成されています。
委員会での質疑及び意見交換は、新宿区議会においても同様の認識が広がっていることを如実に示すものです。
これに対し、委員会質疑における理事者からの答弁においては、国における婚姻制度に関する議論を注視する旨の発言がありました。
しかし、自治体のパートナーシップ制度及びファミリーシップ制度は、国が重い腰を上げようとしない現状において、民法の婚姻制度や家族制度と抵触しない範囲で、当事者が抱える問題を現実的に解決する方策として創設されたものであり、国における議論が進まないことは制度創設の理由にはなっても、これを躊躇する理由にはなり得ません。
また、理事者側からは、自治体ごとにパートナーシップ制度やファミリーシップ制度の有無及び内容に相違があることが混乱を招くのではないかとの懸念が示されましたが、実際に制度を創設・実施している自治体周辺においてそのような混乱が生じた事実は認められておりません。
むしろ、個人の尊厳を保障する自治体と保障しない自治体が混在する場合、まずは全ての自治体において個人の尊厳を保障する方向で歩調を合わせ、その上で自治体間における保障の条件や水準の議論を行うべきであり、これも制度創設を行わない理由にはなり得ません。
なお、委員会審査においては、いくつかの技術的な指摘がありました。
このうち、「現在ある『男女共同参画推進条例』や要綱の改正でも対応可能である」、「新宿区男女共同参画会議の意見を尊重すべきである」、また、「パブリック・コメントを実施すべきである」との指摘については、確かに、区長がパートナーシップ制度及びファミリーシップ制度を創設する場合には、本議案のような条例によらずに制度創設が可能であり、また、「男女共同参画推進条例」及び「新宿区パブリック・コメント制度に関する規則」の適用を受けるため、これらの指摘が妥当するとも考えられます。
しかし、議員が議会を通じてパートナーシップ制度及びファミリーシップ制度の創設を提案する場合、地方自治法112条1項に基づく条例提案によるほかなく、また「男女共同参画推進条例」及び「新宿区パブリック・コメント制度に関する規則」が定める手続規定は区長を名宛人とするものであって、議員提出議案への適用を想定したものではありません。
仮にこれらの指摘が、新宿区において新たな制度を設けるにあたっては区長の附属機関の答申を得、パブリック・コメント手続きを経なければならないとするものであれば、地方自治法で保障された議員提出議案による制度創設を否定するものとなりかねず、地方自治の基本である二元代表制を背景とする議員の議案提出権との関係で禍根を残す可能性があることを指摘しておきます。
いずれにせよ、本議案に反対すべき実質的な理由は見当たりません。各議員におかれましては、是非ご賛同いただくようお願いいたします。
また、委員会審査においては、パートナーシップ制度及びファミリーシップ制度の創設に向けた区長のリーダーシップを求める意見が出ており、私たちの会派においても首肯するところです。
仮に本議案にご賛同いただけない場合であっても、今後、制度創設に向けた区長のリーダーシップの発揮を求め、議会全体で取り組んでいくことを強く願います。
posted by 三雲たかまさ at 16:42|
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