2021年02月09日

【2021年2月3日 総務区民委員会報告】

2月3日、総務区民委員会が開催され、調査事件1件、報告案件10件について説明を受け質疑を行いました。

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調査事件である「新宿区第二次実行計画の策定及び素案に対するパブリック・コメントの実施について」では、令和3年度から5年度にかけての行財政計画を、個別具体的な事業の計画によって示すものです。

3年間で約360億円の計画事業(政策目的をもって計画的・優先的に進める事業)を実施する予定であり、その中には、@牛込保健センター等複合施設の建替え、A放課後居場所事業の充実、B教育ICTの充実(GIGAスクール構想)など、区民の関心が高く、多額の費用を投じる事業もあります。

他にも、「公民連携の推進」、「ICT・RPAを活用した効果的効率的な業務推進」、「市ヶ谷商業高校跡地の将来活用方針の検討」といった新宿区政のあり方を大きく変え、区民生活に影響を与える検討事業も含まれており、今後の事業実施をよく見ていきたいと思います。

気になったのは、多くの皆さんが長年要望している戸山公園箱根山地区での総合運動場の整備についてです。
戸山公園を管理する東京都との協議が続けられていますが、方向性が定まる目途が立っておらず、今回の実行計画でも、「令和5年度末の目標」が「総合運動場の整備・検討」、「都との連携・協議」とのみ記載されています。
「<東京2020オリンピック・パラリンピック関連事業>」と銘打たれた事業であるにも関わらず、2024年になっても「検討」や「協議」が続くようでは区民の皆さんの期待に応えることができません。
この問題については、東京都側でも新宿区の立場を理解して動いていただく必要があると考えます。

園内マップ|戸山公園|公園へ行こう!-02.jpg

また、区財政に関しては、「ふるさと納税」による特別区税へのマイナス影響が緩和され、特別区民税の増額が見込まれる一方で、コロナ禍の影響による減も心配されます。
区では、リーマンショック時の動向を参考に、令和4年度以降は経済の持ち直しを見込んでいるとのことですが、先行きを見極めつつ、慎重に財政運営を行う必要があると思われます。

報告案件は10件もあり、それぞれが重要なテーマであったため、この日の質疑は午後にわたりました。

その中で、「新宿区立文化センターの改修方法の実施方針について」では、文化センターの改修をPFI方式ではなく従来型方式(区が改修設計及び工事発注を行う方式)とする旨の説明を受けました。

昨年の委員会では、文化センターの特定天井等の改修工事については、十数億円の経費を要するため、今後の運用方法も含めてPFI(RO)方式を検討することとされていました。
民間のコンサルティング会社の検討結果レポートでは、従来型方式と、PFI(RO)方式、DB方式、DBO方式などとを比較し、PFI(RO)方式が最も適当であるの結論が示されていました。

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区でも、このレポートを受けてPFI(RO)方式での改修及び運営を検討したものの、コロナ禍により財政見通しが不透明となってきたことから、多額の後年度負担(債務負担行為)が発生するPFI(RO)方式は断念せざるを得なかったとのことです。

私自身は、PFI(RO)方式を採用した場合には文化センターのあり方が大きく変わるのではないかと懸念していたこともあり、この結論には異論はありません。
PFI(RO)方式のVFMを強調するのではなく、多額の後年度負担(債務負担行為)が生じることを適切に評価したものと思います。

ただ、今後様々な区有施設の改修・運営方法が検討されるにあたり、区民との議論よりもコンサルティング会社のレポートを重視した結論が出される可能性について懸念を持っています。

今後も、公共施設や公共サービスのあり方については、しっかりと議論を続けていきたいと思います。
posted by 三雲たかまさ at 17:05| Comment(0) | 議会活動

2021年01月29日

【2021年1月21日 情報公開・個人情報保護審議会報告】

1月21日、今年初めての個人情報保護審議会が開催され、出席しました。
年初ということもあってか、審議案件数は比較的少ない5件でした。

このうち、「区職員に対する新型コロナウイルス感染症のスクリーニング検査(唾液PCR検査)業務の委託について」では、新型コロナウイルス感染症のまん延防止のため、感染者が確認された区役所の職場(学校、保育所を含む)を対象に、感染者及び濃厚接触者以外の無症状者に対し、唾液採取キットによるスクリーニング検査を行うことが報告されました。

スクリーニング検査で陽性の疑いが判明した方については、病院への診察の指示がなされ、そこでPCR検査を行って陽性が判明すれば、感染者として隔離や入院といった措置がとられることになります。。

年末以降、ほぼ連日のように区職員の感染確認が報告される中、濃厚接触者に限定した行政検査では感染者を的確に把握できず、職場内での感染拡大を防止できないのではないかとの不安があったため、こうした検査が行われることは大変重要だと考えます。

ただ、業務の流れを見ると、区から業者に対して唾液採取キットの申込みを行ってからキットが届くまでに最大3日、さらに採取した検体を業者に送付してから結果報告まで最大2日ほどかかるとのことですので、迅速な対応という訳にはいかないようです。

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また、「債権(奨学資金貸付金)回収に係る督促等業務の委託について」では、奨学資金貸付金の返還を滞納している方(約50人)のうち、転居等により区が追跡できない方(3、4人を想定)について、弁護士に債権回収を依頼するというものです。

奨学金として貸し付けた金銭を「債権」として回収業務を行うことが適切であるかについては、様々議論があると思います。
他方、返還を受けた金銭を次の奨学生に貸し付けることで、限られた原資を回転させて多くの方に資金提供が可能になっていること、また約束通り返還している方との間の公平性を考えると、債権回収を行わざるを得ないのが現状です。

経済的に困難に直面している若い方に対して返還不要の奨学金制度を設けることが理想ですが、その財源をどうするかなどの議論は国や東京都で解決すべきであり、基礎自治体である新宿区の財政規模で対応するのは難しいように思われます。

このため、質疑では債権回収事業自体の是非ではなく、個人情報の取扱いに絞って質問しました。

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まず、区では、受託弁護士との間の情報のやり取りを郵送又はCR-R等の手渡しによることを想定していますが、実際の依頼者と弁護士との連絡は、メールや電話、FAXなどによって行われています。
審議資料では、そこで取り扱われる個人情報の漏洩等をどのように防止するのかが記載されていないため、この点を確認するよう求めました。

また、受託弁護士が滞納者の方と交渉した結果、一定の合意に達した場合には、合意書を作成する必要があります。
区では、この合意書を内容証明郵便を利用して作成することを想定していますが、内容証明郵便で合意書面(契約書)を作成することはできないので、書留郵便でやりとりすることになると思われます。

さらに、受託弁護士に対しては、年度末に取り扱った個人情報の消去を求め、消去証明書を提出させることを想定していますが、弁護士の立場からは、少なくとも3年から5年程度は事件記録を保管しておかなければリスクにさらされると考えられます。

これらの点について、受任する予定の弁護士と協議し、改めて個人情報の取り扱いを整理するよう求めました。
posted by 三雲たかまさ at 10:00| Comment(0) | 議会活動

2021年01月19日

【2021年1月19日 防災等安全対策特別委員会報告】

本日10時から防災等安全対策特別委員会が開催され、調査事件1件、報告案件1件について説明を受け質疑を行いました。

調査事件である「新型コロナウイルス感染症対策本部会議実施状況」では、昨年12月8日から今年1月8日までの4回の本部会議実施状況について説明を受けました。

会議での確認事項は添付図表の通りです。

新型コロナウイルス感染症対策本部会議実施状況について_危機管理課(R3.1.19).jpg

質疑では、出席した委員から、区内新規感染者数が1月に入り急増している(1月1日から17日までの間で1084名)ことを受け、区民への自粛要請や感染防止策の周知にとどまらない感染拡大防止施策が必要ではないかとの指摘がなされました。

報告案件である「区内の火災発生状況等(速報)について」では、昨年1年間における区内での火災発生件数や状況等について説明を受けました。

その概要は添付図表の通りですが、質疑を通じ、区内で発生した火災には以下の特徴があることが分かりました。

区内の火災発生状況等(速報)について_危機管理課(防火防災対策担当)(R3.1.19).jpg

・ここ数年、出火原因ワースト3は、@電気関係(漏電等)、Aガス器具(コンロ、レンジ等)(、Bタバコとなっていたが、昨年はステイホームにより自宅での調理機会が増したことを反映し、ガス器具が1位となった。

・区内の地域別の発生件数は、四谷消防署管内が19件(うち住宅6件、店舗事務所13件)、牛込消防署管内が27件(うち住宅12件、店舗事務所9件)、新宿消防署管内が106件(うち住宅36件、店舗事務所70件)であり、四谷地区及び新宿地区で店舗事務所での火災が目立っている。
(新宿地区の火災件数が多いのは、新宿消防署管轄エリアが区内の半分を占め、また飲食店や事業所が多く所在するため。)

・発生した火災のうち、ボヤで済まずに延焼してしまった割合は、四谷地区が16%、牛込地区が23%、新宿地区が19%であり、牛込地区では延焼してしまう割合が高い。

・放火件数は、四谷地区2件、牛込地区3件に対し、新宿地区が12件と多い。

今後は、このような出火原因や地域特性を踏まえた火災予防活動(周知啓発等)が必要であると思われます。
特に牛込地区は、住宅火災の割合が高く、また住宅地域の細街路が多いために延焼のリスクが高いと考えられることから、区民(住民)向けの働きかけが重要です。

また、10年前の東日本大震災を契機に普及が進んだ住宅火災警報器の老朽化や電池切れ等が懸念されるため、住宅火災警報器の更新を呼び掛けるといった取り組みの重要性も指摘されました。
posted by 三雲たかまさ at 12:25| Comment(0) | 議会活動

2021年01月13日

【2021年1月13日/新宿区議会総務区民委員会報告】

本日10時から総務区民委員会が開催され、調査事件1件、報告案件5件について説明を受け質疑を行いました。

調査事件である「受付番号発券システムの更新」については、戸籍住民票、国民健康保険や税務の受付窓口に設置されている受付番号発券機を更新し、窓口利用者の利便向上を図るものです。
従前は単に受付番号が記載された紙が出てくるだけでしたが、今後は窓口の混雑状況をインターネットで確認したり、受付の順番が近づいた旨の通知をメールで受信することなどが可能になります。

また、発券機とともに設置されるモニターでは、区政情報や区内事業者の広告が表示されることになります。

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このため、機器の導入及び維持管理費用は設置事業者の負担となり、さらに設置事業者から年間300万円(月25万円)の収入を予定しています。

民間の広告が区庁舎内で掲示されることついては議論がありうるところですが、区では広告ガイドラインに従って審査を行い、不適切な広告が掲載されないよう管理するとのことです。

報告案件5件は、以下の通りです。
・令和2年度新宿区区民意識調査(速報版)について
・工事請負契約の締結について
・債権の放棄について
・庁舎の借受けについて
・緊急事態宣言に伴う区施設の対応について

このうち「債権の放棄について」では、区からの生業資金貸付や区民住宅使用料等の債権について、時効期間が経過し、今後の改修が困難と見込まれるもの(合計約580万円)を放棄したというものです。

区に対する支払いが困難な方に対して無理な取り立てを行うことは行政として避けるべきことです。
しかし、多くの方が約束に従った債務の弁済を行っている中で、催告を行っても連絡に応じない不誠実な方が弁済を免れることとなってしまっては公平性を欠きます。

特に債権額が大きい案件では、催告に対応しない方に対する支払督促手続の活用などによって、安易に消滅時効が完成しないような債権管理体制を取ることが必要だと指摘させていただきました。

また、「庁舎の借受けについて」では、新型コロナウイルスワクチン接種の実施に当たり業務スペースが不足するため、保健所付近のビルのフロアを借り受けることが報告されました。
賃料・共益費は月額約143万円(税抜)であり、2年間の賃借を予定しています。

このこと自体は今後の新型コロナウイルス感染拡大防止のために必要なことです。

ただ、区では保健所西側の区有建物を民間企業に貸し付けており、その一方で緊急時に民間の空き物件を探して賃借しなければならない状況に陥っていることについては問題があると考えます。

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このため、行政のリスク管理の観点から、今回のような不測の事態や災害時において区役所機能を一時的に強化しなければならない場合に備え、今後の公共施設マネジメントにおいては、区役所本庁舎や保健所といった緊急時に拠点となる施設のスペースに一定の余裕を持たせる必要があることを指摘させていただきました。
posted by 三雲たかまさ at 12:53| Comment(0) | 議会活動

2020年12月15日

【2020年12月9日 総務区民委員会報告】

第4回定例会最終日の12月9日、追加議案が提出されたことから、議案の付託を受けて総務区民委員会が開催されました。

議案は以下の3件です。
・「新宿区四谷特別出張所等区民施設特定天井等改修その他工事請負契約」
・「新宿区柏木特別出張所等区民施設地下1階及び1階空調換気設備改修その他工事請負契約」
・「公の施設の指定管理者の指定について」

このうち、前2者については特に問題はなかったのですが、最後の「公の施設の指定管理者の指定について」は、提出に至る経緯から問題があり、活発な質疑がなされました。

今回指定管理者の指定を行う施設は、「新宿区立新宿スポーツセンター」です。
この施設については、現在の指定管理者の下で、昨年秋に利用者の個人情報流出事件が生じたため、次期は新たな指定管理者に切り替わるものと思われており、実際に5団体の指定管理者候補が応募しました。

区では指定管理者の選定に当たっては、選定委員会が書類審査を経て公開プレゼンテーション及びヒアリングによる第二次審査を行うこととしており、10月初旬の第二次審査では、株式会社コナミスポーツクラブを中心とする団体が最高点を獲得して選定されました。
その結果、区は、第4回定例会において、同社を中心とする団体を指定管理者候補とする議案を準備しており、議員にもそのように説明がなされていました。

ところが、他会派の議員から、株式会社コナミスポーツクラブは「名ばかり管理職」の問題で東京高裁から労働基準法違反を認定されており、区が定める応募要件を充たしていないのではないかとの指摘があり、区においても応募要件違反を確認した結果、同社を中心とする団体は指定管理者候補からの辞退を申し出てきました。

このため、区では、選定委員会の審査結果が1位の団体が辞退した場合には2位の団体に打診を行うとのルールに従い、審査で2位となったアシックスグループを中心とする団体に打診したところ、同団体が受諾したため、改めてアシックスグループを中心とする団体を指定管理者候補として今回の議案提出に至ったものです。

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しかし、今回の団体についても、他会派の議員から、この団体を構成する株式会社アシックスでは、男性従業員の育児休業をめぐり「パワハラ」「パタハラ」があったとして民事訴訟が提起されているとの指摘があり、指定管理者として適格なのかが問われることとなりました。

質疑では、区側から、辞退した団体の場合には東京高裁による労働基準法違反を認定した判決が確定している一方で、今回の団体の場合には民事訴訟(第一審)が係属中であり、かつ事実関係自体が争われているため、応募要件違反がないとの答弁がなされました。

また、1位の候補が辞退した結果、応募資格を有する第2位候補に対して打診をすることは区のルールに従った扱いであるとの説明もなされました。

他方で、辞退した団体が応募資格を有するか否かについて、応募者が提出する資料を確認するだけでは不十分ではないかとの指摘がなされ、区においても独自の調査の必要性を認めていました。

審査方法についても、公正中立な審査を確保するため、現在は二次審査で団体名や構成事業者を明かさないこととなっていますが、どのような背景や実績を持つ事業者であるかはプレゼンテーション内容の評価にも関わるものであり、むしろ明らかにした方が良いのではないかとの指摘もありました。

また、今回のように応募資格を有しない団体が選定され、指定管理者として業務を開始した後になって応募要件違反が判明した場合の扱いについては、答弁が不明確な点もありましたが、最終的には指定管理者としての指定処分の取り消しがなされることが確認されました。

私からは、今回の団体を構成する会社の訴訟では「パワハラ」「パタハラ」が訴えられているだけでなく、上司の違法行為を内部通報したことに対する報復人事も訴えられている点を踏まえ、仮に裁判所が「内部通報に対する報復人事」を認定した場合には、この会社はコンプライアンス体制の根幹に課題を抱えていることになり、自浄作用(業務体制の改善等)を期待することができないため、判決の内容を精査して指定管理者としての業務を続けていただくか否かを検討する必要が出てくる、と指摘させていただきました。

委員会では、この議案への賛否について意見が分かれましたが、私たちの会派では、@2位の団体については現時点では係争中であり応募資格は失われていないこと、A2位の団体に打診することは区のルールに則った対応であり、逆にルールにも拘わらず打診を行わない場合には当該団体との間で紛争を生じる可能性もあること、B訴訟の結果によっては指定管理者の指定取消しを含む対応が可能であることなどを踏まえ、議案に賛成することとなりました。

同時に、今後は今回の件を参考に指定管理者の選定プロセスを見直し、適切な指定管理者の指定ができる体制を整備することを要望しました。

指定管理者制度の運用が始まって20年近くが経過し、公共施設の管理運営を民間事業者に委ねる事例が増えてきた一方で、個人情報保護条例や公契約条例への対応など、自治体が民間事業者を適切に監督することができるのかが問われる事例も散見されるようになってきました。
公民連携のツールの一つである指定管理者制度が真に自治体住民の利益にかなう形で運用されるよう、議会の側も制度運用の在り方について議論する必要があると思います。
posted by 三雲たかまさ at 12:38| Comment(0) | 議会活動